オイルパステルでイラストを描く(描き方編)

オイルパステルでイラストを描く、描き方編
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イラストの描き方の説明

オイルパステルやクレヨンなどを使ってイラストを描くときの行程を簡単に説明する。出来上がったイラストをフレーム(額縁)に入れると額縁効果で見た目の印象も強くなるのでオススメ。自分なりの画材の使い方を追求するとオリジナリティに繋がっていくので、沢山描いていくと良い。

必要な画材についての説明は「オイルパステルでイラストを描く(材料編)」に詳しく描いてあります。

ラフ書き

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鉛筆でイラストのラフ書きをする。描く時に普通の鉛筆でもいいが、製図用の芯ホルダーというのを使うとシャーペンのように鉛筆の芯が出てくるので、ラフ書きの時に使いやすく、愛用しています。

使用している筆記用具

三菱鉛筆  製図用 Uni ユニホルダー
uni芯2mmを使用、シャープペンシルのようにノックして使えるので常に芯の長さを一定に保つことが出来るのでイラストのラフ書きの時に使いやすい。ローレット金属グリップを採用していて滑りにくいのが特徴。

ラフ書きのポイント

イラストラフを描くときのポイントとして、あまり細密に描きすぎないよう心掛ける、細密に描いてしまうと、こう描かなければならない、という考えに引っ張られるので、描いている最中の遊び、思わぬ発見をする可能性が低くなってしまう。基本的なイメージは変わることないが、あくまでラフということを念頭に置き、リラックスし、ゆるい気持ちで描くといいイラストの線が引けるだろう。

アウトラインをとる

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清書するためにイラストのラフからアウトラインをとる作業。今回は段ボールに描いてみます。描いたラフに合わせて段ボールを切り抜く、描く素材で、これはダメということはないので自由に素材選びを楽しもう。例えばイラストボードや発泡スチロール、ビンや缶、空き箱やお菓子のパッケージなど利用するなど、創意工夫で様々な表現が可能となる。

アタリをとる

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描き始める作業。目やくちばし、主要な場所を薄い色のパステルやクレヨンでアタリを取る、薄い色で塗る理由は後で位置などを修正する場合、簡単に修正できるからだ、薄い色を使うか鉛筆で描いてもいいだろう。

スクラッチ技法(下塗り)

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オイルパステルやクレヨンでよく使うスクラッチ技法。クレヨンやオイルパステルなどに色を重ねて塗っていき、最後に引っ掻き、下の層を出す技法を使います。まず、その下地になる色を塗って行く、削った時に出てくる色を、あらかじめ想定して色を考えると良いだろう。今回はくちばしを黄色にしようと思ったので、引き立てるために補色である青系の色を下地として塗っていきます。こういった色の相関関係を考えながら、どんな色を引き立てるのか、なじませるのかを考えながら色選びを行うと、効果的に印象を打ち出すことが可能となる。他にも、ボカす時に使う、ふきとり技法や厚塗りの技法など様々な技法があるので自分に合った技法を見つけてみることもオリジナリティを確立する上で重要なことになるだろう。

感覚的に技法を使う

いろいろな技法を試してみる時、使用する画材や素材の状況によって全く違うタッチになる事が多々ある、失敗を恐れず、むしろ楽しむようにイラストを描き、素材、画材を沢山使っていく事で感覚的に覚えた方が自分にとって大きな勉強になります。

スクラッチ技法(上塗り)

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スクラッチ技法のために塗った青系の色の上に黒を乗せていく作業。この場合塗りつぶすのではなく、少し色が見えるように塗ると、スクラッチした場所と塗り残しが合わさって面白い風合いになる。今回は黒にしたが、濃い茶色や、ワインレッドなんかも映える色になりそうに思えた。また羽の輪郭をふきとり技法などでぼかすのも良いと思う。上塗りと同時にお腹や顔など他の体の部分も合わせて色を乗せていく。

スクラッチ技法(削り取り)

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上塗りした色を削り取っていく作業。ペインティングナイフなどで削るのだが、なければ針金やプラスチックの板など自分んが削りやすいもので削れば良い。私の場合は針金とプラスチックの板が使いやすいので愛用している。

全体的に統一感を出して完成度を高める

最後の仕上げに目の中にゲルマーカーの白でハイライトで白を入れ完成とした。ゲルマーカーの白を使う場合、白い芯の部分に他の色が着いると汚れた色になってしまうので、必ず取り除いてから描こう、せっかく描いた白が汚れて台無しになってしまう。今回はハイライトの白は塗るのではなく、白いゲルマーカーを針金に少し削り取って目の場所に乗せてみた、そうすることで目に立体感が出て、いきいきとした印象になることを狙った。これで描く作業は完成。次は重要な作業、イラストにフィキサチーフ(定着液)を掛ける作業に移る。

スプレーブース

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スプレーブースにイラストを載せフィキサチーフを掛ける作業。スプレーブースは自作すると、サイズの大きなものもスプレーできますが、あまり大きくないものにスプレーするのであれば、市販のものが売っているので、それを使っても良い。

フィキサチーフを吹き付ける

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フィキサチーフ(定着液)は、仕上げたイラストを定着させ綺麗な状態に保つために必要な作業。吹き付け方にはコツがある。イラストをスプレーブースに置いて、表面に薄い膜を張っていくような感じで吹き付けます。上記の写真のように、かなりテカテカになるくらい吹き付けた方が、画材の剥離が起こりにくくなる。スプレーは、イラストから30cmほど離してムラにならないように気をつけ均等に吹き付けることを心掛けた方が良いだろう。乾かすのにはドライヤーを離して掛けると綺麗に乾く。

フレームに入れる

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フレームに入れて完成。フレームに入れる事で額縁効果によりイラストの印象が格段に上がります。段ボールのような厚みのあるものを額装する場合は、厚めの額が見栄えがして良い。今回は段ボールの素材感からナチュラルな木製の額をチョイスした。

沢山描く事で楽しくなる

いろいろ画材の事、技法の事など書き進めてきたが、はじめは描き方の事など気にせず、のびのび沢山描く事が大切。そのとき感じた事や好きな気持ちを何も気にせず思い切り描く事の方が考えや想いはダイレクトに伝わる、それが一番大事な事だ、画材や技法で思い悩み描くのがつまらなくなる事の方が一番残念、好きな気持ちを大切にそのまま沢山描いていこう。そしてある程度沢山描いたら技法や画材などにも目を向けチャレンジするといいでしょう。

オイルパステルでイラストを描く(材料編)はこちら

イラストレーター
キャラクターデザイナー
プクムク/pukumuku


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