スモカ広告全集

イラストを描く時に勉強になった本、おもしろかった本。黄色
スポンサーリンク

全ページ同じ会社の同じ商品広告

イラストを描く時に参考にしている本が増えてきたので書棚を整理中。面白い本を見つけたので紹介していくことにした。全1160ページのとても分厚い本だが、最初から最後までスモカという会社の広告しか載っていない驚きの本「スモカ広告全集」を紹介する。

スモカはみがき

「スモカはみがき」という商品を知っているだろうか。スモカ歯磨株式会社は1932年創業の大阪にある長い歴史のある会社。そこが販売しているタバコのヤニ取り用の歯磨きの事である。

片岡敏郎スモカ広告全集

当時の奥付

著作権者:スモカ歯磨株式会社
定価:3,500円(別冊共)
1985年5月20日初版発行
発行者:マドラ出版株式会社
東京都港区南青山四丁目二三ノ四
印刷:社陵印刷株式会社

自宅にある実際の本の写真をそのまま載せると著作権上問題があるといけないので、Amazonのリンク画像を紹介。リンク先の商品は1992年となっているが、私が持っている本は1985年5月20日の初版発行のものだ、表紙の写真が所蔵している本と一緒なので、内容は同じものだと思う。あと付録として赤い表紙の薄い冊子が入っている。

1160ページ全部スモカの広告

この本の何といっても凄いところは同じ会社の同じ商品の広告を全1160ページに渡って掲載しているのである。本の厚さも8センチほどあり、とても分厚い本だ。めくるページめくるページ、スモカの広告しかない。説明によると大正14年(1925)〜昭和16年(1941)に新聞広告として使用されたスモカ広告の中から1155点を収録しているそう。この本は普通の本のように読むのではなく思うまま好きなページを開いてコピーライターの書いた素晴らしい言葉の数々と当時の時代性が反映されたイラストを鑑賞するような気持ちで見ると良いと思う。

コピーとイラストが素晴らしい

どの広告も秀逸なコピーとイラストが描かれているのだが、全てのイラストが非常に洗練されているのだ。例えばビアズリーが描くようなアールヌーボー調のイラスト。気になって当時の歴史を調べてみたら1910〜1930年に掛けてアールヌーボー、続いてアールデコの時期であり、このようなタッチが恐らく当時は流行の先端のタッチで時代性を表しているのだと思う。他にも木版画のような荒削りのようでいて力強いイラスト。タバコを吸っている当時の服装のダンディなおじさんや、クラシカルなヘアスタイルのご婦人のイラスト。どのイラストも趣向を凝らしている。

きっと産みの苦しみはあると思うが、制作側は毎回楽しみ実験するかのようにコピーとイラストを制作したのではないかと思う。これだけ沢山イラストがあるとワンパターンになったり、マンネリ化してもおかしくないのだが、それが全くないのだ。

モノクロの世界

新聞広告なのでモノクロームの世界だが、どのイラストも当時の風俗、世相を表すようなタッチに感動する。当時はイラストレーションとは呼ばず、和名で図案とかコマ絵(イラスト1枚絵、つまり漫画で言うコマが1コマなのでコマ絵、コマ絵を描く人はコマ絵師と呼ばれた)の呼び名がしっくり来るような絵だと思う。

タバコのみの歯磨きというテーマでここまで多様にイラストとコピーが組み合わされていく素晴らしさに、1ページ1ページ噛み締めながら鑑賞したい書籍の一つである。

イラストレーター
キャラクターデザイナー
プクムク/pukumuku

Tweet about this on TwitterShare on FacebookShare on Google+Pin on PinterestShare on TumblrEmail this to someone

スポンサーリンク