日本の色・紅色(くれない)

日本の色赤系「アイキャッチ」
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日本の色・紅色(くれない)

電子書籍絵本やイラストを作るときに絵の印象を位置付けるために色彩心理に合う色を配色してきているが、日本には実に多くの色と色の名前があるので伝統色について調べてみることにした。今回は紅色(くれない・べにいろ)

いろんな色をイメージしたい

色の種類以外にも平安時代の貴族の着物の色の重ね方の配色方法である重「襲」色目(かさねいろめ)など面白い配色法。日本の四季に合わせて山々が黄緑色から深い緑に変わる様、秋が深まって行くにつれて紅葉する葉や日の光の変化など微妙な変化を感じ取り楽しみながら配色を考えていたのではないかと思う。論理的に元気や快活な色彩心理のイメージだから赤やオレンジ、ではなく道端に咲く赤い花を思い浮かべ赤い色である紅色や唐紅色などをイメージできるようになりたい。そんな日本の伝統色の色名や由来などについて考えてみることにした。

赤系の色

日本語の赤という色はアケ、アカなどの語音からも明るいイメージから出たと言われている。赤の持つ印象の強さ、血のイメージなどから昔から祭り事や呪術、土器の彩色など神聖な色と使われる一方、化粧として身体に塗る、染色して着る赤など、美しく装うための色として広がっていったそうだ。

紅(くれない・べにいろ)

日本の色赤系「紅」

中国の呉から伝わった色

紅という色の名前の由来は5世紀前後の中国の呉(くれ)今の浙江省周辺から日本に伝わった色と言う意味で、呉の藍色(あいいろ)が紅色になまっていった言葉だそうだ。

複雑な工程で紅になる

紅(くれない)は紅花(べにばな)の花びらから染料を作った色。紅花の色はオレンジ色だが花を水に漬け灰汁などのアルカリ性の溶液に浸すことで中和し、果実や乳酸などの酸につけることを繰り返すと鮮やかな発色の紅色になる。今はもっと簡単にこの色は作られるが当時は非常に複雑な工程であったため、貴族など高貴な者が身につける色だったそう。

紅花が日本に伝わったのは5世紀前後の大和時代(やまとじだい)、それと同時に染色法法や化粧に使う方法なども伝わり貴族など高貴な人々の間で次第に広がり、その後さまざまな染色方法が生み出されていったそうだ。

いろいろな紅の表現

紅をテーマにした和歌や書物は沢山ある、万葉集には「春の園紅にほふ桃の花下照る道に出で立つをとめ」など春の庭で印象に残る赤く輝く光の色を紅色と表現。古今和歌集では「人知れず思えば苦し紅の末摘花の色に出でなむ」と口紅の色や秘めた恋の告白が印象的な和歌。

ほかにも紅をイメージした歌は山のようにあるが、鮮烈に感じる赤い色のイメージ次第で表現も豊かに広がり見る人によって様々な素晴らしい紅の表現が生まれている。

イラストレーター
キャラクターデザイナー
プクムク/pukumuku

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